Nikon FM

 1998年、会社に出入りしている写真屋さんからタダで貰った。シャッターチャージ部が故障していて、チャージ後のロックがきかず、何回でもフィルムが巻けてしまう。その写真屋さんは、「もう修理がきかないのでいらない」ということで、「流星写真儀用にボディーを集めているので、なんでもいいから欲しい!」と貰ってしまった。

 シャッターチャージ後のロック不良以外は問題なく動作するし、FMはAIマウントではあるが、最初の機種ということで、非AIマウントのニッコールレンズが装着できるよう、AI用のツメが倒れるようになっている。そのため、私の持っている非AIニッコールを装着することができるので天体写真には十分実用になる。また、一般撮影においても絞込み測光により古い非AIニッコールでの撮影も可能なのだ。FM2以降は、このツメが固定式なってしまい非AIニッコールは装着できない。ただ、私の持っているFE2は、このツメがプラスチック製のリングになり、無理やりはめるとツメとリングがたわんではまってしまうが・・・。

 このカメラの特徴といえば、なんといってもニコンが大胆にマウント方式を変更したということである。このAI方式というのは『Automatic Maximum Aperture Indexing(開放F値自動補正方式)』のことで、この新しい絞り連動方式により、あの『ガチャガチャ』がなくなったのだ。それと、ニコマートFTシリーズに比べ、小型・軽量化されている。当時は、オリンパスOM−1(1972年発売)に始まった一眼レフの小型化が進んでおり、特に旭光学から発売されたアサヒペンタックスMX、ME(1976年)という、ずいぶん小型のものがあったのだ。ニコンではFM以後さらに小型化が進み「リトルニコン」と呼ばれた『ニコンEM』へと進化していった。

 他には、露出計の受光素子がこれまでのCdSからGPD(ガリウム砒素リンフォトダイオード)に変更されている。さらに、ファインダー内の露出計も指針からLEDに変わり、電源電圧が1.55VSR44(銀電池)2個となった。ただ、このLEDが原因で天体写真を失敗することがあった。巻上げレバーが露出計スイッチとなっており、このスイッチが入っているとファインダー内のLEDが点灯し、バルブ露出中にファインダー内から光が漏れ、フィルムがかぶってしまうことがあるのだ。

 また、当時はやりの生産システムであるVE(Value Engineering)手法が取り入れられ、それまでニコンにはあまりなかったコストダウンが図られている。そのコストダウンの内、外観に現れているのは以下の通りである。
 @シャッターボタンロックをシャッターボタン周囲のリングから巻き上げレバーの予備角でロックする方式に変更。これにより、シャッターボタン周囲のリングはローレット(ギザギザ)のないタイプとなった。
 A巻き戻しノブの周囲にあったローレットを廃止。(巻き戻しノブのローレットは、巻き戻しノブにクランクのない時代からの伝統であった。)
 私のFMは巻き戻しノブのローレットはなくなっているが、シャッターロックはシャッターボタン周囲のリングで行なうものである。ということは中期のものらしい。

  
<性能表>
名称 ニコン ニコンFM
型式 35mm一眼レフ・マニュアル式カメラ
AI方式Fマウント
シャッター コパルCCC−Mスクエア型
メカニカル縦走りメタルフォーカルプレーンシャッター
B、1〜1/1000秒
シャッターボタン外リングでシャッターロック
シンクロソケット(1/125秒)
シンクロ接点付ホットシュー
セルフタイマー付
ファインダー マイクロスプリットイメージ
露出計 GPD(ガリウム砒素リンフォトダイオード)受光素子
TTL中央部重点開放測光
絞込み測光可
フィルム感度 ISO12〜3200
フィルム巻上げ レバー式1作動
製造番号 2258586
電池 1.55V SR44(銀電池)×2個
その他 データバックMF−12(No.527130)

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